アンケート調査とは、ある集団の全体を理解することを目的とし、その一部の人々から適切な質問を用いて情報を収集する 方法を指します。調査は、企業からメディア、政府、研究者に至るまで、情報経済に携わるすべての人々にとって重要な情報源となります。
アンケート調査にはどのような種類があるか
一般的に使用されるアンケート調査には、4 つの方法があります。
- 対面アンケート調査
- 電話アンケート調査
- 紙と鉛筆による筆記式アンケート調査
- 自己入力式コンピューター アンケート調査 (通常はオンライン調査)
調査の実施方法は多岐にわたりますが、共通する要素はいくつかあります。これらの特徴の多くは、調査方法論者、心理学者、統計学者、その他多くの分野で詳しく研究されています。
この記事では、オンライン アンケート調査のメリットから結果の活用方法まで、基本的な知識を説明します。
オンライン アンケート調査のメリット
毎日のように世界ではアンケート調査が実施されています。オンライン アンケート調査ソフトウェアは、10 年以上にわたり、アンケート調査を実施する際に最もよく利用される方法です。以下で解説するように、オンライン形式のメリットは、より迅速な調査結果を得ることができる点にありますが、これは事業の成功にはスピード感が必要不可欠であるためです。実際、このメリットを活用するため、ますます多くの企業がデジタル アンケート調査ソリューションに移行しています。
オンライン調査には、紙を利用した調査などの伝統的な方法に比べて、多くのメリットが存在します。ここでは、考慮すべき主なメリットをご紹介します。
より速く、より多くの回答を得ることができる
回答の返送を待つ必要がある紙のアンケート調査とは異なり、オンライン アンケート調査の回答は自動的に収集されます。オンライン アンケート調査は、数回のクリックで回答が完了するため、回答者の反応も早くなります。
ランニング コストが安い
オンライン アンケート調査は、従来のアンケート調査よりもはるかに安価で、郵送料もかかりません。また、紙のアンケート調査の回答をデータベースに入力するためのリソースや時間も必要ありません。
オンライン調査は正確性が高い
紙のアンケート調査用紙を利用して回答を収集する場合、分析用にシステムへの手動入力が必要となるため、エラーの可能性が高くなります。オンライン アンケート調査メーカーでは回答はシステムに直接入力されるため、エラーの可能性が軽減されます。
結果集計が迅速
アンケート調査データの収集はオンライン上でより迅速に実行可能なため、紙のフォームからの回答をシステムに再入力する手間が省けます。つまり、データをリアルタイムで分析することができ、より早く分解して読み解くことができます。
新しい顧客層にリーチできる
オンライン調査は、誰でも、どこからでもアクセスできます。このため、手渡しや郵送で配布する必要がある紙のアンケート調査に伴う制約がなくなります。より包括的な調査を大規模に実施できるようになり、選択したトピックや調査について、より広い対象から情報を取得し、理解を深めることができます。
アンケート調査ツールを使ってアンケート調査を作成すべき理由とは?
デジタル ソフトを使えば、フォローアップや新規アンケート調査を簡単に作成できます。Quaクアルトリクスは、すぐにダウンロードして使える無料のアンケート調査テンプレートを提供しています。
また、デジタル ソフトウェアの利用は、設定・管理コスト削減につながります。顧客や回答者にとっては、最も便利なデジタル デバイス(タブレット、コンピュータ、スマートフォンなど)でアンケート調査に回答できるため、より便利です。また、アンケート調査リンクをメールで送信するだけで、回答が寄せられるとすぐにアンケート調査管理ソフトウェアにデータが反映されるため、回答者にとっても便利です。
加えて、デジタル アンケート調査は規模拡大も簡単にできます。多くの人にアンケート調査を送信したり、回答者が簡単に回答できるように多言語に翻訳したりすることもでき、回答が得られる可能性が高まります。
アンケート調査の作成方法
良いアンケート調査とは、良い設計があってこそ成り立ちます。ですから、最初のアイディアから最終的なデータ分析に至るまで、すべての段階でして計画をすることが重要です。時間をかけてアンケート調査項目(リサーチ クエスチョン)と配布モデルを計画することで、質の高いデータを得るための素地を確立することができます。
調査項目と目標を明確にする
アンケート調査プロジェクトを成功させるには、まず調査項目を明確にすることが重要です・何を調べようとしているのでしょうか?最新の製品について、あるいは企業全体について、顧客がどのように考えているかを理解したいのでしょうか?従業員エンゲージメント調査を通じて、従業員がどのような<福利厚生を望んでいるのか、従業員エンゲージメントがどのくらい高いかについて調べているのでしょうか?
調査項目と測定基準を的確に設定しなければ、データは得られるかもしれませんが、プロセスや製品、サービスに有効な変更を加えるために必要な洞察は得られません。
調査対象者を明確化する
アンケート調査の質問には誰が答えるべきでしょうか?潜在顧客でしょうか?入社5年目までの従業員でしょうか?製品を使用していない消費者ですか?良いアンケート調査を実施するには、このような情報を特定し、対象にアプローチする最適な方法(SNS、Eメール、ウェブサイトなど)を理解する必要があります。
アンケート調査のデザインと事前テスト
有効で信頼できるデータを得るためには、アンケート調査の設計と事前テストが非常に重要です。例えば、注意深くアンケート調査を作成し、事前テストを行うことで、アンケート調査の質問の意味を明確にし、回答者が質問を別の意味に解釈してしまう可能性を減らすことができます。
調査するサンプルを選ぶ
集団全体に関する有効で信頼できるデータを収集するためには、サンプルの選択が重要です。
まず、大規模な顧客のEメールアドレスのデータベースをサンプリングします。1 世帯につき1件だけ回答が欲しい場合は、Eメールアドレスと郵送用アドレスを照合し、重複を削除します。次に、残りのメールアドレスから無作為にサンプルを抽出します。当社のサンプル サイズ自動計算ツールでは、データに自信を持つために必要な回答数を計算することができます。
サンプリングにおけるもう一つの注意点は、顧客はあらゆる種類の調査にとって偏りのない集団ではないということです。新しいセグメント向けに製品を発売する場合、既存の市場は潜在的な購入者ではないため、収集したデータは有益ではありません。
アンケート調査を送信する
アンケート調査を送信する際には、サンプル内の全員から回答を得ることが重要です。目標を達成できるよう、配信を開始する前にアンケート調査の回答率を上げる計画を立てましょう。
Eメールアンケート調査ツールやEメール管理システム(Microsoft Outlook や Google フォームのメールマージなど)を使って、オンラインでアンケート調査を配信することができます。
データを分析する
特に自由形式の質問の場合、分析前にデータをコーディングし、調整する必要があります。Qualtrics Text IQ は、オープンテキスト回答のデータを簡単に分析し、実用的な見解を提供します。その後、データセット全体を分析し、改善計画を立てることができます。アンケート調査データに適したさまざまな統計分析タイプがありますので、この記事の後半でご紹介します。
アンケート調査の作成方法についての詳細は、アンケート調査の作成に関する完全ガイドをご覧ください。
適切な質問で結果を出す
質問の方法は100通り以上あり、質問のタイプはアンケート調査結果に直接影響します。たとえば、テキスト入力の質問は最も信頼性が高いですが、回答者がより早く疲労してしまうことにもつながるため、数を制限する必要があります。
シンプルな質問がベストですが、何を達成したいかによって質問を選ぶことができます。最も一般的な質問タイプ、そして質問例のリストは以下の通りです:
- 複数選択肢: 複数選択肢の質問は、多くのアンケート調査の基礎となるものです。従来の選択肢リストとして、またはドロップダウン メニュー、セレクト ボックスなどを表示できます。
- 複数選択: 複数選択は、参加者にリストから複数の回答を選択してもらいたい場合に使用します。
- テキスト入力: テキスト入力は、自由記入欄・フリーテキスト欄とも呼ばれ、自由形式の回答を収集するために使用されます。これらのアンケート調査の回答としては、名前やEメールアドレス、文章など標準的なフォームや情報などが含まれます。
- ランク付け: ランク付けは、項目のリストに対する優先順位を決定するために使用されます。この質問タイプは、一定の対象に対する回答者の意識を測定したい場合に最適です。
- 評価付け:評価式の質問では、回答者に、同意、満足、頻度などの側面について、個人的なレベルを示すよう求めます。例えば、リッカート尺度があります。
- マトリックス テーブル: マトリックス質問は、1 つの質問で複数の情報を収集するために使用します。このタイプは、アンケート調査を凝縮したり、効果的に類似した項目を 1 つの質問にグループ化する方法です。
- スライダー: スライダーを使用すると、回答者は従来のボタンやチェックボックスではなく、ドラッグ可能なバーで好みのレベルを示すことができます。
- 横並びアンケート調査: 横並びアンケート調査の質問では、1つの要約された表で複数の質問をすることができます。同じ量のデータを集約できるので、効果的にアンケート調査を短縮することが可能です。
従来のアンケート調査の常識は長年にわたる実証的な研究に基づくもので、現在も指示されています。一般的には次のような文言にすべきだと言われています:
- シンプル、直接的、理解しやすいこと
- 専門用語を使わないこと
- 具体的かつ特定的であること (一般的で抽象的ではない)
- あいまいな言葉を避けること
- 二重質問を避けること
- 否定的な言葉を避けること
- 誘導的な質問を避けること
- フィルター質問を含めること
- スムーズに読める文章を心掛けること
- 感情的な言葉を避けること
- 可能な限りすべての回答を認めること
以下は、アンケート調査を作成する際にご活用いただける情報の一覧です。
- 顧客満足度(CSAT)調査:質問とテンプレート
- CSAT (顧客満足度) とは何か & CSAT 測定法
- VoC(Voice of the Customer)とは?
- カスタマー エフォート スコア (CES) とは?:基本と計測法
- 測定するべきカスタマーサービス指標トップ10
- デジタル カスタマー エクスペリエンス2022 年に知っておくべきこと
- NPS (ネット・プロモーター・スコア) の目安とは
- NPSとは?ネット・プロモーター・スコア完全ガイド
- 従業員エンゲージメント調査の実施に最適なタイミングは?
- カスタマー サービス スキルを向上させる20のヒント
- 従業員向けパルスサーベイとは何か
- 新入社員向けオンボーディング調査実践法: 何を聞くべきか・オンボーディング施策にどう活かすべきか
Web フィードバックの効果的な実施方法にすついては、オンデマンド ウェビナー『CX 連続講座: オンライン フィードバック速攻改善! 15 分講座』をご覧ください。
アンケート調査の作成を改善する方法
アンケート調査を作るのは、一見簡単そうに思えるかもしれません。しかし、実際には、質問の仕方によってアンケート調査の回答が左右されることがあります。このため、質問は偏りがなく、わかりやすく、「どちらとも取れる」質問が存在しないように気を付ける必要があります。このセクションでは、最良の結果を得るためのベスト プラクティスをご紹介します。
アンケート調査とブランディング
誰がオンラインアンケート調査を送信するかにかかわらず、自社のカラーやロゴなど、ブランディングと一貫性を持たせることは重要です。
アンケート調査を作成する際は、顧客が御社からのものであると認識し、詐欺ではない正当なものであることを印象付けるのが重要です。ブランド全体の一貫性も保たれます。
アンケート調査データの品質チェック
すべてのデータは、正確性を確保するためにもダブルチェックしましょう。
オンラインアンケート調査を送信する前に、自分自身でアンケート調査に回答し、エラーがないことを確認して下さい。複数のデバイスでアンケート調査に回答し、すべてが正常に機能することを確認します。その後、データを収集したら、結果の出力を確認し、すべてが正確であることを確認して下さい。
必要のない、あるいはすでに持っている個人情報の提供を求めないようにする
回答者は個人情報ではなく、意見を述べたいと思っています。回答者の情報をすでに持っている場合は、再度要求しないようにしましょう。機密データを収集する場合は社内ポリシー、現地の法律、GDPR(該当する場合)を遵守していることを確認してください。また、データを保管するサーバーの安全性を確保し、侵入チェックを定期的に実施して脆弱性に対応しましょう。
適切なチャネルでアンケート調査を配布する
アンケート調査は、ウェブサイト、Eメール、SNSなど、複数のチャネルを通じて配信することができます。最大限の人数がアンケート調査に回答してくれるように、ターゲット層が最も利用しそうなチャネルを通じてアンケート調査を配信しましょう。ミレニアル世代にはSNSで、X世代にはEメールでということも考えられます。
アンケート調査結果の活用方法
アンケート調査の実施方法を知ることでおしまい、ではありません。学んだことに基づいて変更を加えなければ、アンケート調査の作成に費やした時間は無駄になってしまいます。データを入手する前に、社内外への配布計画を立てましょう。偽のデータと模擬的な配布計画で模擬プレゼンを作成し、データ分析後に何をすべきかを正確に把握することもできます。
自動アクションをトリガーさせる
自動トリガーは、時間を節約しながら、エクスペリエンス管理プログラムの拡張を支援してくれます。また、アンケート調査の結果を使用して、Salesforce、Hubspot、Microsoft DynamicsなどのCRMとデータ統合することも可能です。例えば、Zendesk、ServiceNow、FreshDeskなどのサービスデスクソフトウェアとの統合により、クローズド ループ チケッティング・フォローアップアドオンで直接サービスチケットを作成します。さらに、顧客が解約する危険性がある場合、その顧客がカスタマー サービス担当者とやり取りしたときにアラートがポップアップ表示されるように設定できます。データを分析すれば、自動トリガーを使用する可能性は無限にあります。
見識をユーザーフレンドリーなフォーマットにする
アンケート調査結果でできることはたくさんありますが、意思決定者にわかりやすい形式で届けることが最も重要です。インタラクティブなPDFレポートの作成から、Excel、SPSS、Googleシートへのエクスポートまで、さまざまな方法で情報を提示し、ステークホルダーに受け入れてもらえるようにします。
アンケート調査の分析をユーザーフレンドリーなフォーマットにすることで、このような状況(すべての質問を表示しなければならない場合、全体的なインサイトはほとんど得られません)から抜け出すことができます。
瞬時に気づき、瞬時に結論が導き出される:
高度な統計分析を利用する
高度な統計分析は、より深くアンケート調査質問に答えるのに役立ちます。これらは通常、訓練を受けたリサーチの専門家やQualtrics Stats iQ のような高度な統計ソフトウェアによって使用される方法です。
- 回帰分析 – 従属変数(2つの変数の関係)に対する独立変数の影響度を測定します。
- 分散分析(ANOVA)テスト – 独立変数が従属変数にどのような効果を持つかを見つけるために、回帰研究でよく使用されます。これは、複数のグループを同時に比較して、それらの間に関係があるかどうかを見ることができます。
- コンジョイント分析 – 人々に意思決定をする際にトレードオフを行うよう求め、その結果を分析して最も一般的な結果を導き出す方法です。人々がなぜそのような複雑な選択をするのかを理解するのに役立ちます。
- T- テスト – 2つのデータ・グループの平均値が異なるかどうかを比較し、その違いが意味のあるものなのか、単なる偶然のものなのかを解釈するのに役立ちます。
- クロスタブ分析 – 定量的な市場調査において、カテゴリーデータ、つまり異なる、相互に排他的な変数を分析するために使用されます。分割表で2つの変数の関係を比較することができます。
クアルトリクスのオールインワン調査ツール
13,000以上のブランドで利用され、年間10億件以上の調査をサポートするクアルトリクスのソリューションは、組織内のすべての人がインサイトを収集し、アクションを起こせるよう支援します。コーディングは不要です。
クアルトリクスが提供するアンケート調査ツールを使えば、マーケティング、ブランディング、顧客、製品に関する最も重要な質問に対する回答を得ることができます。このオンラインアンケート調査ソフトウェアは、シンプルな顧客フィードバックアンケート調査から詳細なリサーチプロジェクトまで、あらゆることに対応できます。
また、リスニング調査ツールを活用して、オンラインレビューやSNSを含む125以上のデータソースからフィードバックを収集することもできます。そして、調査プラットフォームからデータを管理することで、サイロ化を解消し、顧客を理解し、ターゲットを絞った調査を実施することができます。
さらに、ドラッグ&ドロップで簡単にアンケート調査を作成できるため、高度なアンケート調査を作成する場合でも、目的に合ったアンケート調査を作成し、内蔵のインテリジェンス(iQ搭載)を活用して、より質の高いデータを取得することができます。
クアルトリクスは、専門的な市場調査員や アンケート調査設計者のためにカスタム プログラミングを提供し、質問タイプ、アンケート調査設計、埋め込みデータ、その他の変数について、完全なる柔軟性をお届けします。
Qualtricsのアンケート調査ソフトウェアを利用すれば、手元にすべての情報を集約し、システム間を行き来することなく、組織とその成功に不可欠なデータへのアクセス、測定、検証を容易にできます。
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