CSAT とは
CSAT とは、Customer Satisfaction Score(顧客満足度)の略称です。あらゆる種類のビジネスで、顧客サービスや製品品質の重要な業績評価指標として使用されています。顧客満足度は一般的な概念ですが、CSAT は数値化できる明確な指標であり、パーセンテージで表現されます。つまり、100% であれば最高、0% であれば最悪ということになります。
顧客アンケート調査を行うソフトウェアで、顧客体験の測定と最適化を実現
CSAT の計測法
CSATは顧客のフィードバックを使って測定します。次のような質問をするか、複数のバリエーションを用いて収集します。
「あなたが受け取った[商品/サービス]に対する全体的な満足度はどれくらいですか?」
回答者は次の1~5の尺度を使用します。
- 非常に不満
- 不満
- どちらでもない
- 満足
- 非常に満足
通常、CSATスコアはパーセンテージで表示されますが、結果を平均して総合顧客満足度スコアを算出することもできます。
フィードバックを取得する最も一般的な方法は、アンケート、ウェブサイト上のID、ポップアップ、フォーム、アプリ、SMSなどの方法で実施される 顧客満足度調査 です。
CSAT を算出する
アンケート データからCSATスコアを計算する際は、4(満足)と5(非常に満足)の回答を使用します。フィードバック調査の最高値 2 件を使用することが、顧客維持において最も正確な予測ができるとされています、
この計算をする前に、受け取った回答の合計数を把握しておきましょう。顧客フィードバック プログラムを一元管理されたプラットフォームで実行していれば、数値を簡単に確認することができます。
パーセンテージの算出には、次の式を使用します。
満足した顧客の数 (4 と 5) / アンケート回答数) x 100 = 満足した顧客の数 (%)
CSAT はいつ測定すべきか
では、どのようなタイミングでカスタマー エクスペリエンスに対するフィードバックを求めればよいのでしょうか。その答えは、提供する製品やサービスの種類によって異なります。コンタクト センターに対する通話のエクスペリエンス等のタッチポイントの場合は、その会話が顧客の記憶に鮮明に残っている期間、つまり、その直後にフィードバックを求めるのが最も効果的です。
一方、定期購入、または工具や家具のような長期間使用する商品のように、ある程度の期間にわたるエクスペリエンスを理解したい場合は、感想を聞く前に数日または数週間など、一定の期間を置いた方がよいでしょう。購入した商品を評価し、複数の用途でそれぞれどのように機能するかを確認してもらってからのほうが、より正確なフィードバックを得ることが可能になります。
しかし同時に、CSATは継続的な顧客関係ではなく、特定の体験に関連する「今、ここ」での評価指標であることを理解しておく必要があります。
また、リピーター顧客には何度も依頼が出されることもあります。(ただし、フィードバック依頼で顧客に負担をかけることは、それ自体が問題を引き起こす可能性がありますのでご注意ください)。
顧客アンケート調査を行うソフトウェアで、顧客体験の測定と最適化を実現
良いCSATスコアとは?
CSAT調査を実施し、結果が出たとしましょう。しかし、CSATスコアが良好であるかどうかをどのように判断すればよいのでしょうか。また、どのように期待値を設定すべきなのでしょうか。
答えは簡単です。業界、セクター、ブランド、企業のベンチマーク スコアを提供するACSI (American Customer Service Index)などのリソースを使用すれば、業界の標準的な CSAT スコアを知ることができます。
ここでひとつだけ確実に言えるのは、もしその時点でスコアが低くても、徐々に高い方へと変化しているのであれば、何か正しいことをしていると考えられます。CSAT をカスタマーエクスペリエンス プログラムの日常的な一部として位置づけ、進捗を確認するために、CSAT を継続的に測定しましょう。
CSAT の長所と短所
他の指標と同様、CSATはビジネスの成功を測定する際に利用できる、パズルのひとつのピースに過ぎません。ここでは、CSAT のメリットとデメリットについて知っておくべきことを説明します。
CSATの長所
測定が簡単
CSATはひとつの質問と簡単な評価スケールでデータを取得できるため、多様なチャネルで素早く簡単に実施できます。
顧客への低負担
CSATの質問は簡潔でシンプルなため、顧客ににとって負担が少ないといえます。何度も質問することもないため、回答に疲れてしまうこともほとんどありません。
使いやすいデータが得られる
CSAT は様々な統計テストを用いて簡単に処理・分析できる数値データを提供します。
認知度が高い
CSAT は標準的な指標となっているため、他の企業とのベンチマークやマーケティング、プロモーション等にも活用することが可能です。
CSATの短所
自己申告に依存している
自己申告のデータは非常にバイアスがかかりやすいことで知られています。CSATのようなシンプルなアンケートであっても、その人の回答時の気分やライフイベントによって、回答に偏りが生じる可能性があります。
深さと詳しさに限界がある
CSATは肯定的か否定的かを測るおおまかな尺度に留まります。また、体験のニュアンスや細かさを把握することはできません。
対象が個人の反応に限定される
CSAT は、回答者の個人的な体験について理解する場合は非常に有効です。しかし、その商品やサービスを利用している家族、チーム、あるいは企業全体を代表して回答する場合はどうでしょうか?おそらく評価は変わってくるでしょう。
回答へのバイアス
CSATのリクエストに回答する人は非常にポジティブな体験をした人、あるいは非常にネガティブな体験をした人である可能性が高いと考えられます。中立的な立場の人はアンケートに参加するモチベーションが低いのが一般的です。
CSAT と NPS・CES との違い
CSAT は製品・サービスに対する顧客満足度を、Net Promoter Score (NPS)は組織に対する顧客ロイヤルティを測定するものです。一方、CES (Customer Effort Score)は顧客がタスクを完了するのがいかに簡単か、あるいは難しいかを測定するものです。
CSATは特定のタッチポイント、製品、イベントに対する「今、ここ」での反応を測定するものです。しかし、企業と顧客の継続的な関係を測定することには限界があります。
また、CSATは顧客体験の特定の部分に焦点を当てるために、複数の文脈で使用することができます。例えば、「あなたが受けた電話サービス/アシスタントの親切さ/配送に対する全体的な満足度をどのように評価しますか?」といった具合です。
逆に、NPSの単一の質問によるロイヤルティ指標、(例:友達や同僚に [組織 X/商品 Y/サービス Z] をどの程度勧めますすか?)は、顧客にブランドや製品についてより広い視野を求めるとともに、全体的な満足感ではなく、顧客の意思に焦点を当てています。
CESはこの2種類を補完し、CSATの経験データに新たな側面を加え、顧客の将来のロイヤリティの可能性を予測していきます。また、CESは他の指標と同様に単一の質問で構成され、回答でき得る尺度を持つ指標となります。
CSATの活用方法
CSATはNPSと同じく、カスタマーエクスペリエンスを測る指標です。しかし、CXパフォーマンスの状況を知ることは、ほんの序章に過ぎません。CSAT(またはCES、NPS)のスコアを利用してカスタマー エクスペリエンスを向上させなければ意味がありません。
CSAT(またはCES、NPS)のスコアに加え、さらに定性調査を行い、スコアの背後にある要因を把握することで、顧客体験(そして、結果としてのビジネス成果)を向上させるための行動を起こすことが可能になります。
CSATと収益の関連性
満足度と収益との関連性を理解すると、ビジネスにも影響を与え始めることができます。顧客別の総合的な収益性を追跡することを「顧客生涯価値」と呼びますが、これは顧客体験を長期的なビジネスの成功戦略にするための次なるステップとなります。
それぞれのカスタマー ジャーニーでの満足度を最大化することで、ビジネスを向上させていくことが可能になります。
顧客アンケート調査を行うソフトウェアで、顧客体験の測定と最適化を実現