皆様、こんにちは。クアルトリクスで Brand & DesignXM ソリューションストラテジー シニアディレクターを務めております木村久美子です。
本日は皆様に、このほど日本で本格展開が開始された、ブランド エクスペリエンスを管理する SaaS ソリューション「Qualtrics BrandXM™」(クアルトリクス ブランド エックスエム、と読みます) についてご紹介したいと思います。
BrandXM とは:
消費者の「気持ち」を鮮度高く
把握することを可能にするソリューション
BrandXM、略して BX は、クアルトリクスの主力製品である従業員エクスペリエンス管理ソリューション「Qualtrics EmployeeXM™ 」とカスタマー エクスペリエンス管理ソリューション 「Qualtrics CustomerXM™」に次ぐ、第3の主力ソリューションです。
BrandXM は、消費者のブランド認知から、連想するイメージ、競合他社との差別化ポイント、そしてそれらの各要素が、主要なビジネス指標にどのような影響を与えているかを理解し、マーケティングをはじめとするさまざまな活動 (アクション) を効果的に実施するために活用することができるソリューションです。
マーケティングに携わっておられる方・主要な業務とされている方であれば、「自社の認知度」「消費者への浸透度」「競合他社とのイメージの違い」などの様々な指標をチェックし、ブランドが健全に伸長しているかの参考とするため、常にモニターしておられると思います。
しかしながら、従来型の調査・分析手法にはしばしば「スピード感」という限界が付きまといます。コロナ禍による急激なデジタル化進行の影響もあり、消費者の心もまた変化の速度が早まっている現在、市場シェアがアップデートされる頻度では、消費者が「いま」「現在」どう感じているか、掴みきれていないのではないかとお悩みの方もおられるのではないでしょうか?
私自身、事業会社でマーケティングに携わっていた時代には、このような悩みを持つことも多くありました。
マーケティング プランの策定、そして的確な軌道修正を精度高く実施するには、シェアデータと同様に「鮮度」の高い、消費者の「気持ち」のデータが必要不可欠です。
この「鮮度の高い、消費者の『気持ち』」のデータへのアクセスという問題を解決するのが、 Brand XMです。
ブランド エクスペリエンスとは?
さて、この記事をお読みの方には、「従業員体験 (EX) やカスタマーエクスペリエンス(CX)については聞いたことがあるけど、そもそもブランド エクスペリエンスって何?」とお思いの方もいらっしゃることと思います。
ブランド エクスペリエンスとは、一般的に「消費者が、ブランドの情報に触れる最初の瞬間から、認知、比較、購入、使用、再購入に至るまでの全ての接点における、一連の企業とのふれあいのプロセス」のことを指します。
例えば、初めて足を運んだチェーン系レストランでぞんざいな対応をされ、席は寒く、長時間待たされた上にオーダーミスで違う料理が運ばれてきて、おまけに値段は高い…といった場合を考えてみましょう。ほとんどの人が「このお店は最悪! もう二度と行かない!」といった反応をするのではないでしょうか。
このような思いをした人は、悪い体験をしたチェーンのロゴを見るだけで拒否反応を示し、系列の店舗も避けるようになるかもしれません。また、周りの人にも「あのチェーンは最悪だから行かない方がいいよ」と語ったり、悪い口コミをオンライン レビュー サイトや自分自身の SNS に書き込んだり…という事態になるのは想像に難くありません。
これは直接的な体験から発生する非常にわかりやすい例ですが、例えば環境問題や社会問題への積極的な取り組みで知られ、環境問題に関心の高い層から強い支持を受けるパタゴニアなど、「企業の全体的なイメージ」は、顧客本人はもちろんのこと、周囲の購買行動にも大きく影響します。
このイメージを理解し、さらにデザインし、それに則ったマーケティング活動やブランディング活動を展開していくことが重要なのは、以前も現在も変わりません。その重要さも広く理解されており、事実多くの企業では、ブランド イメージについて調査を定期的に実施していると思います。
しかし、変化の激しい時代にあって、従来型の調査スタイルに固執したままでは、競合他社にもトレンドにも遅れをとるリスクがあります。次章で詳しく説明いたしましょう。
なぜ、BrandXMか?
・市場変化のスピード対応に苦慮する企業
マーケティング活動・ブランディング活動の主な目的は、カスタマー ロイヤルティを獲得し、売上向上と市場シェア拡大を実現することにあります。そのためには、自社の認知度や競合企業との差別化要因、顧客の嗜好などを特定し、商品情報に初めて触れる瞬間から、購入、商品を利用するまでのブランド エクスペリエンス (体験) を追跡・分析する仕組みが必要不可欠となります。
これまでも、「顧客にとって、自社はどのような存在であるのか?」という問いへの答えを見つけるため、顧客が企業に対して抱く感情の定量的な収集が実践されてきたのは前述のとおりです。また、市場シェアをはじめとする定量的な分析により、自社の立ち位置を理解する試みも積極的に行われています。
しかしその一方で、消費者がブランドに対して抱く感情を頻繁に取得・調査・分析できる機会は限られていました。また、従来型の調査は 1 年に 1 度・ 2 度という頻度が一般的であったため、加速度的に変化する顧客の嗜好・考え・感情を追跡し、有益なインサイトを得て改善アクションに結びつけることは困難でした。
また、過去数年間の世界的パンデミックと全世界的な不安定さにより、市場の動きはかつてないほど速くなっています。2019 年にインターネット広告費がテレビメディア広告費を上回ったといわれていますが、2022 年現在では、インターネット単体がマスコミ4媒体の広告費を上回っています。(出典・電通「2021日本の広告費」)
このように、パンデミックによって急激に進行したデジタル化により、多くの業種では主な販売経路がオンラインへと変化し、ソーシャルメディアが最大の販売経路となる・口コミサイトの影響が大きくなるなど、従来とは全く異なるスピード感で動く販路・プラットフォームに対応する必要に迫られているケースも見受けられます。
・パネル確保の難しさ
加えて、回答者(パネル)の目標サンプル数を定期的に担保することの難しさも、担当者の悩みの種でした。特に海外市場の場合、良質・一定量のパネルの継続的な確保に困難を感じる企業も多く、国外に拠点がある競合企業に押されがちになることも少なくないようです。
このようなお悩みを解消するのが、クアルトリクスの BrandXM です!
BrandXM ソリューション導入の利点
・圧倒的なスピード感で市場を理解
BrandXM は、週次・月次等の高頻度でデータを収集することにより、よりタイムリーに潜在顧客層を含めた「声」をもとに「いま」の自社ブランドの状態に基づいたマーケティング施策を展開することを可能にします。
つまり、「過去」のデータに基づいてアクションを取るサイクルから脱却し、「現在」のデータを基に、より精度の高いアクションの策定・実施を可能にするツールといえるでしょう。
日本企業のブランド担当者様の中には、「基本的なことは全て代理店に依頼しています」とおっしゃる方も少なくありません。
しかし、SaaS プラットフォームである BrandXM の強みは、担当者が何かを知りたいと思ったときに、すぐに自分でお客様の気持ちを調べることができることにあります。また、自分の手元で自在にデータの分析をスピーディー・かつシンプルな操作で行うことができ、分析のためにパソコンと睨めっこする時間や、データ抽出までのアイドリング時間を最小限にします。
そのような事務的単純作業の時間を削ることで、お客様の声に直接触れる時間や、他部署との共同作業の時間を拡大し、より現状に即したデータに基づいた施策の展開が可能になります。
・経験豊富なリサーチの専門家が調査をサポート:国内外のリサーチ会社やマーケティング企業などで豊富な経験を積んだクアルトリクスのスタッフが、効果的なアクションに繋がるインサイトを発見するお手伝いをいたします。企画、導入、分析・レポート作成まで、総合的なサポートをご提供するとともに、効果的なアクションにつながるダッシュボードをお客様と一緒に設計するサービスもご用意しています。
・グローバル パネル ネットワークで世界中のサンプルにリーチ:日本に拠点を置く企業のブランド担当者様のお悩みのひとつに、「パネル確保の難しさ」があることは前述したとおりです。クアルトリクスは北米・欧州・アジア・アフリカ・オセアニアまでカバーするパネル企業と提携しており、世界中でのリサーチをワンストップで実施することが可能です。
また、パネル調査はプロジェクト予算や規模、目的 (共有先や目標とするアクションなど) に応じて 2 種類以上をミックスするため、バイアスを可能な限り除いた高品質なパネルを確保することが可能になります。
国内外で活躍する BrandXM
日本での本格デビューは最近ながら、BrandXM は日本企業様にもご利用いただいております。ダイキン工業株式会社様でのご利用についてお話しいただいたウェビナーは、こちら からご視聴が可能です。
また、グローバルでは L.L. Bean、Pinterest、Patreon など、様々な業界でブランド エクスペリエンス向上にご利用いただいています。ユースケースとしては以下が挙げられます。
・B2C用途でのグローバル各社における市場パネルデータから自社の純粋想起率・ブランド イメージを調査。競合調査も同様に行い、各国ブランド戦略に活用 (ダイキン)
・グローバル規模の視聴者に関する詳細なインサイトを明らかにし、グローバル戦略への情報提供に活用 (Patreon)
・ユーザー エクスペリエンスをより豊かなものにするため、どのような機能を備えるべきかの理解 (Pinterest)
・ターゲットとすべき重要な顧客セグメントのニーズ理解による、戦略的なマーケティング施策・製品開発 (L.L. Bean)
BrandXM についてもっと知りたい
BrandXM をもっと多くの方に知っていただくため、クアルトリクスでは各種資料をご用意しております。
・各機能を詳しく説明している 製品ページ
・実際の画面もご覧いただける 製品紹介ビデオ
・ダイキン工業株式会社様でのご利用についてお話しいただいたウェビナー『ダイキン工業におけるBX』(2022 年 5 月実施)
・BrandXM の基本についての解説をご覧いただけるウェビナー『Brand XMが変える、これからのマーケティング』(2022 年 10 月実施)
・ページ上部「お問い合わせ」ボタンからデモをお申し込みいただける リクエスト ページ
ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお問い合わせください。お待ちしております!
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