プレスリリース
2025年、複雑化する仕事を整えて しっかり顧客に対応できることが従業員のエンゲージメントを左右
クアルトリクスの最新の調査で、2025年に向けた従業員エクスペリエンスの注目ポイントが明らかに
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【2024年11月12日 東京発】
米国クアルトリクスの日本法人、クアルトリクス合同会社(本社:東京都千代田区、カントリーマネージャー:熊代悟、以下「クアルトリクス」)は、従業員エクスペリエンスに関する世界最大級の年次調査「2025年従業員エクスペリエンストレンドレポート」を発表し、2025年に向けて従業員の体験をより良いものにするために、企業やリーダーのアクションのヒントになる重要なインサイトを明らかにしました。
本調査では、日本からの2,077人を含む22か国・地域約35,000人の回答をもとに、混沌とした職場で従業員が顧客ニーズにしっかり応えられる環境の重要性、若い従業員が前向きな姿勢を示しつつも継続勤務意向は弱い傾向、経営陣・リーダーに対する従業員の信頼感を改めて高める必要性、企業イメージに影響を与える採用時・退職時の体験の改善余地、会社・組織としてAIの導入・活用を十分に推進すべきであることなどについて解説しています。
2025年、効果的な顧客対応を実現できる環境がエンゲージメントを向上させる
コロナ禍以降、多くの企業が今日の職場に対応した働き方、業務プロセスを採り入れてきた結果、会社の要求と従業員のニーズとの間にギャップが生じてきています。従業員は、自社のカルチャーや働き方が、顧客ニーズに対応できるものであり、社内で継続的に業務改善を行っている状況においてエンゲージメントが高まる傾向があります。しかし今回の調査結果では、企業がこのような従業員の期待に応えられていない実態が浮き彫りになっています。
従業員に対して、生産性向上へのプレッシャーを強めることは逆効果になり、エンゲージメントやウェルビーイングなどの重要な指標の低下につながりかねません。
クアルトリクス 顧問・XMエバンジェリスト 市川幹人は次のように説明します。「ここ数年、日本だけでなく世界中の従業員は職場における様々な変化に適応してきました。多くの人が疲弊しつつあるのは当然のことです。最高の従業員エクスペリエンスは、仕事の仕方や意義を通して得られるものであり、具体的にはその企業が大事にするパーパスやバリューの浸透、顧客志向の強化、キャリア開発の推進などに関する取り組みが、従業員エンゲージメントに影響を与えることが再確認されました」
従業員エンゲージメントのキードライバー(推進要因)トップ5 (日本・肯定的回答率%)
若い従業員の継続勤務意向が低水準
今回の調査では、若い従業員は企業で最も意欲的でやる気があり、楽観的でもあることが示されました。一方で、彼らの継続勤務意向は他の年代に対して低水準にとどまっています。若手従業員の継続勤務意向に影響を与える要因は、キャリア開発のチャンスや自社のバリュー(価値観)に対する共感などでした。
「若い従業員が職場にもたらしてくれる楽観的な見方や斬新な思考を否定すべきではありません。リーダーは若手従業員の継続勤務意向の弱さを嘆くのではなく、彼らの成長と創造性を育み、スキルを伸ばし、最終的には熱意を汲み取って、次の世代の成功につなげることに注力すべきです」と市川は述べます。
若手従業員の前向きな姿勢と継続勤務意向(日本・%)
入社までの体験・退職時の体験が企業イメージに与える影響は大きい
入社前の選考時および退職時の体験は、「従業員ジャーニー」(従業員個人のその企業との関係の流れ)において評価が低くなっています。今回の調査で、過去1年を振り返っての応募体験や退職体験についての回答を日本に絞って集計すると、「期待を上回る」とした以上の人が「期待を下回る」体験であったと回答しています。また、現在の勤務先での在職期間が6ヶ月未満の従業員のうち、今後3年以上勤続する意向を示した回答者は半数に満たない(48%)のに対し、在職期間6ヶ月以上の回答者の同比率は68%です。
市川は次のように説明します。「どのような企業であっても、そのイメージや評判は求人に応募したときのエピソードや、実際に働いたときの印象に大きく左右されます。入社時と退職時の体験をよくすることは重要な戦略でありながら、これまで軽視される傾向がありました。入社前からネガティブな印象を持っている人も存在するという事実をきちんと認識すべきです」
過去1年間の応募体験・退職体験に対する評価(日本・%)
目先の利益を追求することが従業員の長期的な信頼を失うことに
日本では、リーダーが目先の利益よりも従業員の幸福(ウェルビーイング)を優先すると考える従業員は29%にすぎません。これは世界平均(56%)のほぼ半分にとどまり、日本の従業員がリーダーを十分信頼していないことを示唆しています。
市川は次のようにコメントします。「急速に変化し続ける世界情勢、マクロ経済、国内外の政治、消費者ニーズ、テクノロジー、社内の戦略・方針、仕事の仕方など様々な要因で、企業を取り巻く先行きの不透明感が高まる中で、リーダーの経営の舵取りに対する従業員の期待は高まるばかりです。そうした中、リーダーに対する信頼感は、エンゲージメントやウェルビーイングをはじめとする重要指標との高い相関を示しています。リーダーが信頼感を獲得・維持することはこれまで以上に容易ではありませんが、従業員との十分な対話や働きやすい職場環境の整備などを着実に推進することで実現できるものと考えられます」
リーダーに対する従業員の信頼感(肯定的回答率%)
AIの組織的な導入・活用推進が急務
AIは生産性を向上させるソリューションであると認識されているにもかかわらず、業務においてAIを「毎日」または「毎週」活用しているとした日本の従業員は24%にすぎません。世界平均が45%であることと比較しても、まだ低水準であるといえます。「会社がAIを活用するためのトレーニングとサポートを提供している」とした回答者についても、世界平均では約半数(52%)を占めたのに対して、日本では4分の1のみです。
市川は次のように結論付けます。「AIの導入・活用が進んでいないのは、従業員がその変化を受け入れていないからだけではありません。会社・組織として、従業員向けのトレーニングやサポートが不十分であることもその背景にあります。会社が提供したAIツールではなく、個人で見つけたツールを活用している従業員も少なくないという調査結果もあります。業績向上への貢献や従業員の業務負荷の軽減など、AIの影響力は無関心でいられるものではありません。企業はAIの戦略的な活用を重要な優先事項として位置付けるべきなのです」
会社・組織によるAI導入・活用サポート状況(肯定的回答率%)
■調査について
「2025 年 従業員エクスペリエンス トレンドレポート」は、 2024 年7月に実施され、日本を含む22カ国・地域のフルタイムまたはパートタイムで働く18歳以上の就業者を対象とし、35,023人(うち日本の回答者2,077人)から回答を得ました。
※レポート全文はこちらからお読みいただけます。
【クアルトリクスについて】
クアルトリクスは、エクスペリエンス管理(XM)カテゴリーのリーダーおよびクリエーターです。クラウドネイティブのソフトウェアプラットフォームを通じて、組織が卓越したエクスペリエンスを提供し、顧客や従業員とより深い関係を構築できるよう支援します。クアルトリクスが提供するインサイトを活用することで、組織はビジネスの最大の問題点を特定し、それを解決し、優れた人材を確保してそのエンゲージメントを高め、適切な商品やサービスを市場に投入することが可能になります。全世界で約20,000社ものお客様がクアルトリクスの高度なAIを活用して、人々の声を集め、分析し、それをもとにアクションを起こしています。また、膨大な体験データに基づいた、人間の感情についての世界最大規模のデータベースも構築しています。クアルトリクスの本社は、米国ユタ州プロボとシアトルの2カ所にあります。詳しくは、qualtrics.comをご覧ください。
【クアルトリクス合同会社について】
クアルトリクス合同会社(所在地:東京都千代田区丸の内1丁目5ー1 新丸の内ビルディング 37F、代表者:熊代 悟)は、2018年に国内で事業を開始した、Qualtrics LLC(本社: 米国ユタ州プロボ)が100%出資する日本法人です。日本におけるクアルトリクス 製品の販売・サポート・導入支援を提供しています。
【お問い合わせ】
クアルトリクス 広報
メールアドレス: press@qualtrics.com