業績評価プロセスの基盤となるのが業績評価テンプレートです。従業員評価フォームのテンプレートにはレビューに必要となる目標項目が記されており、種類も多彩です。しかし、どんなに種類が多彩であっても、どのテンプレートも上司が効果的なパフォーマンス レビューを実施し、直属の部下との間でオープンでざっくばらんな対話をするための手段であることは共通しています。
テンプレートはカスタマイズが可能であるため、自社での必要事項を網羅することができます。そのため、それぞれの役職に則した同じ従業員評価フォームを使用することも可能です。適切な業績評価テンプレートは、次回の業績評価まで従業員のやる気を引き出し、指導する上でも非常に貴重なものとなっています。
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業績評価テンプレートに含めるべき内容
基本情報
分析および人口統計で含める必要があるもの:
- 従業員の名前
- 従業員のID
- 部署
- 役職
- 評価担当者
- 評価担当者の役職
評価期間
従業員の専門的な成長や進歩を一定期間にわたって追跡できるように、パフォーマンス レビューのテンプレートには、レビュー期間(週、月、四半期、年)とレビューを実施した日付を記入しましょう。
評価システム
評価制度で最も重要なのは、評価を受けた従業員がそれぞれの評価の意味を理解することです。従業員が自分の何が良かったのか、何を改善すれば評価が上がるのかを理解できるよう、それぞれの評価で十分な説明をするようにしましょう。以下はその例です。
イメージ元 employeereviewgunhiji.blogspot.com
評価項目
パフォーマンスレビューのテンプレートに特定のスキルや職務の側面をリストアップし、評価できるようにします。上司の評価だけでなく、自己評価も実施することが重要です。
目標
従業員は、達成すべき業績評価の評価を理解するため、次に期待される目標や課題を知る必要があります。
コメント用のテキストボックスを開く
従業員自身の言葉でフィードバックを求める>ことは、率直なコメントを引き出したり、従業員が成果をアピールしたり、やりがいを感じた仕事の側面について話し合ったりするために有効です。Qualtrics Employee XMのようなプラットフォームでは、AIを使用してオープンテキスト回答のセンチメントを測定し、フィードバックをさらに充実させています。
サイン
従業員の業績評価には、従業員と評価者の双方がサインする必要があります。
効果的な業績評価フォームを作成するための最善の方法
ある調査 (英語) によると、従業員の 65%が、自分の業績評価が自分の仕事に関連していると思っていません。また別の調査 (英語) では、「業績評価が公正である」という記述に強く同意する従業員はわずか 29%、そして「業績評価が正確であること」という記述に強く同意する従業員は26%であったこともわかっています。
このことを念頭に置きながら、職務遂行におけるパフォーマンスレビューのテンプレートは、レビューが可能な限り、公正かつ正確に行われるように作成しましょう。
- 適切な職務に適切な書式をカスタマイズする: 記入したフォームがその職務に必要なパフォーマンスを正確に反映したものであるようにするために、その職務に特有のコンピテンシー(能力)を含めます。
- 目的を明確にする:何を調べたいのかを明記し、フォームで適切な情報を収集できるようにします。
- やりすぎない: できるだけ多くの情報を一挙に集めたいと思うのはやまやまですが、それでは達成しようとしている成果がぼやけてしまいます。1 つの基準を評価するためにはフォームを 1 つ使いましょう。さらに調査したいことがあれば別のレビューを行いましょう。
- 適切な評価尺度を選択する:: 数値評価で簡単に評価できる役割もあれば、仕事のニュアンスをすべて把握するために、より記述的な詳細評価が必要な役割もあります。評価尺度の評価の意味を明確に説明してください。
- SMART(Specific, Measurable, Achievable, Realistic, Timely)目標を設定する: 目標が具体的で関連性があり、成功の指標が定義されており、なおかつ達成可能な期限が設定されていれば、従業員は自分の位置を把握することができます。
- 成長を促す: 業績評価では、従業員が刺激とやる気を感じ、個人的な成長と職業上での成長について、ワクワクするような気持ちになることが大切です。将来のトレーニング目標を特定し、設定するスペースを設けましょう。
- 客観的な視点を貫く: 曖昧さや主観が入らないように平易な言葉で書き、確かな数字でフィードバックを裏付けます。
- 詳細なフィードバックをする: 従業員は、改善・成長するために何をすべきかを正確に理解する必要があります。曖昧にならないように気をつけましょう。
業績評価テンプレートに書いてはいけないこと
業績評価のテンプレートには優れたものも、改善が必要なものも存在します。ここでは、テンプレートに入れてはいけない内容を紹介します。
- 予想外の評価: 業績評価によるフィードバックは、決して従業員が失礼であると感じたり、ショックを受けたりするなものであってはいけません。考課プロセスの詳細と従業員に期待される内容については、できるだけ早く伝えることが理想的です。
- 個人的な属性: フィードバックは常に行動と振る舞いに焦点を当てるべきです。個人的な属性を批判することは、従業員のパフォーマンス レビューには適切ではありません。
- 偏見と規制: 人々はそれぞれのやり方で仕事をしています。ハイブリッド・ワークが定着しつつある今、それぞれの時間や場所で業務に携わっています。そして、こういったイノベーションによって企業が発展するケースも多くあります。 仕事が安全に遂行され、目標が達成される限り、レビューにおいて従業員に「正しい」働き方を押し付けようとする必要はありません。
- 具体性のないコメント: 具体性のないコメントは、自分の仕事がどう評価されたのか、改善する必要があるのかないのか、従業員を混乱さ せてしまいます。フィードバックは常に明確で、タスクに焦点を当てた簡潔なものである必要があります。
- 助言が含まれていない: 業績評価はガイダンス、専門知識、トレーニング、コース、コーチング、メンタリングなどを通じて従業員が仕事を改善し、さらに成長できるよう指導するためになくてはならないものです。 パフォーマンス・レビューの書式にガイダンス(助言)を記載するようにしましょう。
- フォローアップがない:行動なくしてフィードバックは意味をなしません。問題が指摘された場合、上司は迅速に行動し、確実に解決すべきです。レビューでは、文書でフォローアップすること、また改善を見守るための確認が必要であることを示す必要があります。
業績評価テンプレートの種類
毎週または隔週の業績評価
これはシンプルな業績評価テンプレートですが、一定期間ごとにまとめると非常に便利です。週次/四半期ごとの業績評価テンプレートは、毎回大量のデータを収集する必要はなく、ゴール志向である必要もありません。また、記録管理や、プロジェクトが毎週確実に軌道に乗れるよう有効に活用できるため、特に動きの速いアジャイルなプロジェクトに役立ちます。
イメージ元 venngage.com
毎月の業績評価
特に、フリーランスの人材や短期契約の人材を雇用している企業や、試用期間中の新入社員(新入社員研修の一環としてレビューが実施されることもあります)にとって、このようなチェックは有用であるといえます。新しいプロジェクトも、毎月の進捗チェックを受けることで計画通りに進む 上、プロジェクト チームのメンバーが必要なスキルとリソースをすべて持つことで、悪い事態に発展するのを未然に防ぐことができます。また、年に一度、業績考課で不愉快な(あるいは嬉しい)サプライズを受けるよりも、定期的な進捗報告とともに毎月チェックインすることを好む従業員も存在します。
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四半期ごとの業績評価
企業は1年を四半期(Q1、Q2、Q3、Q4)に分け、それぞれに目標、ターゲット、予算を設定する傾向があります。そのため、従業員の人事考課がこれと並行して行われるのは理にかなっていると言えます。3ヶ月という期間は、従業員が目標達成に没頭し、学習し、成長するのに十分な時間です。また、フィードバックの意味でも十分に時間があります。四半期ごとに週次/四半期/月次レビューを集計して報告書を作成し、対面式の従業員レビュー・ミーティングを開催することもできます。
イメージ元 grosum.com
年次業績評価テンプレート
年 1 回の業績評価を実施している企業もありますが、今ではパルス調査や年間を通した360レビューへとシフトしているのが現状です。
少なくとも何らかの形で情報が補強されることが増えていますが、従来の年次業績評価テンプレートは、情報が多すぎて管理しにくいのが現状です。フィードバックとは未来を見るのではなく過去を振り返るものであり、従業員がフィードバックを得るために待つ期間として、1 年は長すぎるのかもしれません。しかし、1年間のレビューとフィードバックでも、12ヶ月の全体的なパフォーマンス・レポートに集約され、すべてのフィードバックにアクションが添付されていれば、有用な情報の宝庫となります。
クアルトリクスのテンプレートは業績評価プロセスにどのように役立つか
業績評価は、従業員のライフサイクルと従業員エクスペリエンスに不可欠な部分です。カスタマイズ可能な無料の業績評価テンプレートは、オンライン上に数多く存在しますが、クアルトリクスではVenngageによるテンプレートを推薦しています。
Qualtrics Employee XMには、採用候補者の経験調査から従業員の退社インタビュー調査まで、従業員のライフサイクル全体をカバーするさまざまな調査テンプレートも用意されています。従業員のパフォーマンスレビューにおいて、これらの調査から得られた個々のエクスペリエンス、業績、フィードバック、能力開発に関する洞察に満ちたデータを、その従業員固有のプロフィールとして示すことができます。
クアルトリクスが提供する無料の従業員エクスペリエンス調査テンプレートはこちらから (英語):
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