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従業員エンゲージメント調査に含めるべき設問と、その理由とは

この記事は 15分 で読めます
従業員エンゲージメントを高め、離職率を抑制するためには、従業員の声を収集することが最も効果的です。この記事では、従業員エンゲージメント調査を作成するためのヒントや、含めるべき質問など、すぐに活用できるアイディアをご紹介します。

多くの企業は、「従業員の離職率が上がっているのに、理由がわからない」という問題に直面しています。「数年前の従業員調査では何の問題も示唆されておらず、退職率が上昇する兆候もなかったのに、なぜ士気が下がっているのか」と頭を抱える担当者様も多いのではないでしょうか。従業員がどんな思いで仕事に取り組んでいるのかを知る方法があればよいと感じておられる方も多いことでしょう。

従業員の思いを理解するために活用できるのが、従業員エンゲージメント調査です。従業員エンゲージメント調査は、調査実施のタイミングで従業員の感情を調べ、データを収集して、行動を起こすための情報を抽出し、さらには行動そのものの実施を支援するための包括的なツールです。

従業員エンゲージメント調査は「静かな退職」等のトレンドを背景に、最近特に注目を集めており、従業員エンゲージメント調査として年1回や半年ごと・四半期ごと、内容や場合によっては月1回など、定期的に従業員に対するサーベイを実施する企業・組織が増えています。

今回の記事では、従業員エンゲージメント調査に取り組んでみたい・実施したいとお考えの担当者様に向け、調査を作成するにあたって理解しておきたいことをまとめました。

無料参考資料:不確実性の時代にこそ求められる!「従業員エンゲージメント」の高い組織のつくり方

従業員エンゲージメントとは?

従業員エンゲージメントを、クアルトリクスでは、「自発的貢献意欲」「自社に関する誇
りや推奨意向」「仕事を通しての達成感」の構成要素から成るものと定義しています。つまり、自社に対して熱い想いを持った従業員が、自律的に仕事に取り組んでいるような(図表イメージです。従業員エンゲージメント調査で、自社の従業員のエンゲージメントを測定し、そのデータを分析することで、従業員のエンゲージメント レベルを向上させるアクションを起こすことが可能になります。

ウェビナー: 人的資本経営は誰のための取り組みか?〜エンゲージメント調査を活用した単なる「情報開示」に終わらないために〜

従業員エンゲージメントに関するデータ

Gallupの “State of the Global Workplace”(英語) によると、2020年、世界の勤労者で自分が仕事に対してエンゲージしている (積極的に取り組んでいる) と感じている人の割合はわずか20%です。この数字は、新型コロナウイルス感染症の流行の影響と考えられる2019年の22%からは低下していますが、2009年の12%からは改善がみられています。

しかしこれは、裏を返せば世界の勤労者の80%が、仕事に積極的に取り組んでいないということを意味します。従業員エンゲージメントの低下は業績や離職率、職場文化に影響を及ぼすため、生産性や競争力を維持したいと考える組織にとって、この問題に対処することは非常に重要です。

Employee engagement statistics
画像:Gallup.comより

従業員エンゲージメントが高い企業では、生産性が21%、収益率が22%、顧客からの評価が10%高く、常習的な欠勤、事故、品質不良などのビジネス上のマイナス要因も低い傾向にあります。

employee engagement and key business outcomes
画像:Gallup.comより

従業員エンゲージメント調査はなぜ必要か

組織が従業員エンゲージメント調査を実施する目的は、主に4種類存在します。

  1. 従業員のエンゲージメントを測定する:従業員がどのくらい満足感を覚え、仕事に興味を持ち、熱心に取り組んでいるか、どのような要素がそう感じさせている(あるいは感じさせていない)のかを測定します。
  2. 従業員が声を上げることのできる環境を確保する: 調査を実施することで、従業員が自社の問題点や企業文化について意見を述べたり、提案したりできるようになり、自分の声が届いていると感じられる環境を整備することができます。
  3. 従業員のエンゲージメントを高める: 従業員満足度のスコアが高くても、さらなる改善の余地は常にあるはずです。従業員からのフィードバックは、そのようなエクスペリエンスのギャップがどこに存在するのかを示す指標となります。
  4. 組織としてのの成長を促す: 従業員エンゲージメント調査で得られるフィードバックから、ビジネスにおいて改善すべき点を明確にできます。

従業員エンゲージメント調査の進め方

1. 調査設計

従業員エンゲージメント調査を効果的に実施し、最良の結果とデータを得るには、調査を注意深く設計する必要があります。まず大切なのは、理解しやすく、シンプルに回答できる構成にすることです。また、結果をレポートにまとめる際には、忙しい経営層や管理職でも理解しやすいものにする必要があります。加えて、可能な限り多くの従業員がエンゲージメント調査の結果を理解し、その結果に基づいて行動できるようにすることがも重要です。

その他、調査の実施前に考えておくべきポイントは以下の通りです。

  • 誰が対象者となるのかを決定する:対象外のメンバーにはその理由を説明し、誤解の余地をなくす
  • 最初から明確な提出期限を設定しておく
  • :参加者が期限内に回答できない場合は、前もって知らせてもらうように設定し、他のメンバーを割り当てる
  • 最終的な承認者を一名決定し、承認プロセスを全員に開示して、手続きについての異論が出ないようにする
  • 必須ではないが、含めることが望ましい」設問と、必ず含める必要がある設問を区別しておく
  • 必要以上に多くのメンバーが従業員エンゲージメント調査の設計に関与することは避ける

2. 設問設計

従業員エンゲージメント調査の結果は、組織の問題解決だけでなく、積極的に仕事に関わっている従業員から見た「正しい施策」が何であるのかを理解するためにも役立ちます。そのため、従業員エクスペリエンスに関して有益な情報が得られる設問を設定する必要があります。

適切な従業員エンゲージメント調査設問をきちんと設定できるかどうか不安になるかもしれません。しかし、従業員エンゲージメント調査を他人任せにせず、自社ニーズに合った調査を設計することにより、既存のモデルや方法に縛られることなく、自社組織に最適な設問で調査を実施することができ、簡潔で回答率が高くなるアンケートを作成することが可能になります。

設問で、以下の3領域をカバーするようにします。

従業員エンゲージメント

アンケートの中核をなす質問です。自社で仕事を続ける意思 (継続勤務意向)、仕事への関与、自発的な努力、会社を誇りに思っているか、自分の組織を他の人に推薦したいと思うか、等の項目を測定する設問です。

主要なテーマ

従業員エンゲージメントを左右する要因を把握するために、自律性とエンパワーメント、キャリアアップ、社内での協力体制、コミュニケーション、リーダーシップ、正当な評価、リソース、戦略、管理職からのサポート、研修やと能力開発などについての設問です。

その他のテーマ

調査実施タイミングでの組織や市場の状況に応じて、関連する話題についての設問を含めるのもよいでしょう。クアルトリクスのブログでも、カスタマー エクスペリエンス管理の文脈で書かれた設問設計のベストプラクティスについての記事がありますので、そちらも是非ご参照ください。どの場合でも、設問数や文章を必要以上に長くせず、回答する側の負担を考えることが重要です。

3. 測定したいテーマを特定する

次のステップとして、測定したいテーマを特定し、そのテーマについて情報が得られるような従業員エンゲージメント調査の設問を作成します。目安としては、従業員エクスペリエンスに関連する設問は30~50個となります。年齢など、人口統計学的な属性のデータについての設問も忘れずに含めましょう。

 

自律性 / 権限付与 自分の役割に権限を与え、仕事において革新をもたらすことができるか?
キャリアアップ 会社で成長し、発展するための機会があるか?
コラボレーション 他のチームや同僚と、障壁や対立なしに容易に仕事ができるか?
コミュニケーション 社員は会社から十分な情報を得ているか、また、自分たちの意見に耳を傾けてくれていると感じているか?
会社のリーダーシップ 従業員はシニアリーダーを信頼し、信じているか?
業績評価 認められ、評価されていると感じているか?
リソース 与えられた設備で仕事ができるか?
戦略の整合性 従業員は会社の目指す方向性と、自分たちがその一部であることを理解しているか?
上司からのサポート マネージャーはチームの成功を支援しているか?
研修と成長 職務に必要な研修を受けていると感じているか?
顧客志向 顧客志向の組織で、必要なことを行う権限が与えられているか?
DEI(多様性、公平性、包括性) すべての従業員を受け入れ、平等に扱っていると感じているか?
報酬・福利厚生 努力に見合った報酬が得られていると感じているか?
製品・サービスの品質 顧客に提供するものを、自分(および/または組織)が信じているか?
安全性 自分の安全が組織にとって重要であると感じているか?
社会的責任 自社が価値のある大義名分をもった良き企業市民であると感じているか?
ワークライフバランス 仕事と私生活のバランスをとることができる会社だと感じているか?

 

推奨事項: 業界標準に従って、従業員エンゲージメント調査では、すべての項目で5段階のリッカート尺度を使用することをお勧めします。

  • 同意の尺度: 強く同意する~強く同意しない
  • 評価の尺度:非常に良い~非常に悪い

employee engagement question

2023 年 グローバル従業員トレンド

従業員エンゲージメント調査における良い設問の例

現在の従業員の満足度を把握するのに役立つ、効果的な従業員エンゲージメント調査の質問のサンプルを以下に示します。これらの質問は、先に紹介した主要なテーマのいくつかをカバーしています。

Q1 自分の職務において興味深い仕事ができることに、どの程度満足していますか?

Q2 この職務で自分の能力を発揮できることに、どの程度満足していますか?

Q3 現在の仕事量にどの程度満足していますか?

Q4 キャリアアップの機会にどの程度満足していますか?

Q5 職場の物理的環境に、どの程度満足していますか?

Q6 上司との関係にどの程度満足していますか?

Q7 全体として、現在の勤務先にどの程度満足していますか?

専門家が設計したガイド付き施策で、従業員のエンゲージメントを高める

従業員エンゲージメント調査で避けるべき設問の例

従業員エンゲージメント調査における質問のポイントは、正確な回答を得ることと、高い割合で従業員からフィードバックを得ることです。不明瞭、答えづらい、要求が高すぎる、あまりに立ち入ったものである、等の質問が含まれていると、アンケートに対して不信感を生じさせ、回答率が悪化してしまう可能性もあります。従業員エクスペリエンスに関する避けるべき質問として、次のような例が考えられます。

Q1 出張によって、あなたの配偶者との関係に影響が発生していると思いますか?あまりに個人的で立ち入った質問です。

Q2 自分の上司が特定のメンバーを優遇しているように感じますか?従業員にとって、特定の人物の名を挙げるのはリスクの高いことであり、告げ口するようでいい気がしないでしょう。

Q3 この1年間、当社で仕事をしてきた経験は、どのようなものでしたか?聞きたい内容がはっきりしておらず、回答者は何をどう書いたらよいか迷う可能性が高いと思われます。

Q4 上司はチームをどの程度公平に扱っていると思いますか? 1から10までのスコアで答えてください(1は極めて不公平、10は非常に公平)。公平性は主観的な概念であり、特に他人の公平度について1~10の尺度で評価することには無理があります。

Q5 YTD で B2B 部門が達成した KPI は何だと思いますか?誰もが理解できる質問でしょうか?(「翻訳」すると、「当年度の初めから現在までの期間に、企業間の取引を担当する部門は、どのような重要業績評価指標を達成したと考えますか?」という意味です。)アンケート調査ではできるだけ専門用語や略語を使わないようにしましょう。

従業員エンゲージメント調査についてもっと詳しく知る

今や頻繁に登場するようになった「エンゲージメント」というコンセプト。エンゲージメントを測定・改善しようとする企業が着実に増えているものの、調査結果の活用に目を向けると、何年も前と変わらず手探り状態の企業が少なくありません。オンデマンド ウェビナーを視聴し、新しいテクノロジーも活用しながら、改めて効果的な調査の実施からアクションへの展開を見直してみませんか。

クアルトリクスの無料のeBook を活用して、従業員エンゲージメントについて理解を深めましょう。

タスク ヒント
始めましょう 無料の従業員エンゲージメント調査テンプレートを使ってみましょう。
コンテンツのレビューと承認者を決定する 複数の担当者やチームがコンテンツをレビューする必要がありますが、複数のリーダーがコンテンツを承認することは避けてください。そうすることで、最終的な質問を設定した後に、長時間の承認プロセスを省くことができます。
明確な期限と納期を設定する 関係者全員に設定する。
問題の優先順位付けの際に主要なリーダーを巻き込む 組織のニーズをよりよく理解するために、ステークホルダーから意見やアイデアを募る。事業のトップは、成功するために部下から何を本当に必要としているのか?
エンゲージメントのカテゴリーを見直し、カスタマイズする 自組織に関係ないと思われるものを削除し、新たに含めたいものを追加する。
質問を見直す 残りの各カテゴリーで、質問を見直す。
「あると便利な」質問と「必ず必要な」質問を区別する ニーズに合うように質問を調整する。各カテゴリーで少なくとも3設問を設定する。
アンケートに必要な定義を含める 例えば、多くの企業では、回答者が同じ参照枠を使うように、「あなたの上司」「あなたのチーム」「上級管理職」「この組織」の定義を記載しています。これらは、アンケートの最初に表示したり、アンケートベンダーによっては、質問項目にマウスを置いたときに表示することもできます。
アンケートを送信し、レビューと承認を得る 通常、2~3回の繰り返しで、少なくとも2週間はかかることを予測しましょう。

4. アンケート調査を実施する

最大数の回答を得るためには、社内で対象者全員に参加を呼びかけ、回答率に着目しながら、適切に調査を進める必要があります。対象者が十分に時間をかけてフィードバックを送ることができるよう、アンケート実施期間として2~3週間は必要になることを予測しておきましょう。

5. 従業員エンゲージメントを測定する

エンゲージメントに影響を与えている要素は何でしょうか?クアルトリクスでは、従業員エンゲージメントを5種類の要因の複合スコアで評価しています。

  • 継続勤務意向 – 従業員が今後2年間は会社に留まりたいと感じている度合い
  • 仕事への関わり – 仕事への心理的・感情的な貢献度
  • 自発的な努力 – 従業員が仕事に費やしたいと望む、必要最低限以上の努力の度合い
  • 会社に対する誇り– その会社で働くことにどの程度の誇りを感じているか
  • 組織に対する推薦度 – 友人や家族にその組織を推薦する可能性がどの程度あるか

これらの項目のスコアを組み合わせたものが、従業員エンゲージメントの総合的な指標となります。

6. データでストーリーを語る

画面に映し出される大量の数字や統計データを見て、ワクワクしたり、やる気を感じたりする人はまずいないでしょう。しかし、データと、説得力のある魅力的なビジュアルストーリーを組み合わせることで、見る人を引きつけ、熱意や行動を呼び起こすことができます。つまり、データにストーリーを添えれば、見る人に感動を与えることができます。

employee engagement and emotional impact

データを使って感情的なインパクトのあるビジュアルストーリーテリングを行うには、3つのポイントが存在します。

  1. 適切な質問から始める: データは何を物語っているのか?このデータを見るべき人は誰か?どうすればデータを適切な対象に伝えられるか? データをどう活かして違いを生み出していけばいいのか?といった問いから考え始めましょう。
  2. 対象を知る: その人たちはどこまで知っているのか?どのくらい深い知識があるのか?そのテーマについてどの程度慣れ親しんでいるのか?といった問いが、ビジュアルストーリーを作り出す際の指針になります。
  3. シンプルな内容にする: 人々は、できるだけ早くシンプルに情報を届けてほしいと願っています。そのため、一度に多くのことを詰め込まないことは重要です。データや情報を取捨選択して、言いたいことを伝えるために必要な情報だけに絞りましょう。その上で、ポイントを押さえたビジュアルを作成します。一度に全部詰め込むのではなく、一章ずつストーリーを組み立てていくようなイメージです。

Simplifying with employee engagement

無料のガイドブック『ウェルビーイングを重視した組織文化を創るには』eBookでは、DEIB(多様性、公平性、インクルージョン、帰属意識)への取り組みを通して組織は何を得られるのか、そしてウェルビーイング向上のための戦略に何を応用できるのか、燃え尽き症候群を防ぎ、健全な職場文化を育むために、組織、リーダー、従業員が一体となって取り組むべきことは何であるのかを伝えています。

独自の従業員エンゲージメント調査を設計する方法をチェック

クアルトリクスのソリューションを使って従業員エンゲージメント調査を行うべき理由とは?

クアルトリクスのプラットフォームは、世界トップ100のビジネススクールのうち99校、13,000以上の企業で利用されている、世界トップクラスの従業員エンゲージメント管理ソリューションです。

クアルトリクスを利用することで、自社の管理職従業員エンゲージメントを調査・測定し、リアルタイムでインサイトを得て、改善を図れるようになります。従業員のパフォーマンスを向上させるために、何に重点的に取り組めばよいかが理解可能になります。クアルトリクスの従業員エンゲージメント ソリューションの採用により、以下のような効果が期待できます。

  • 全社的な従業員の満足度とエンゲージメント向上
  • リアルタイムのデータに基づいた、問題解決に向けた迅速な行動
  • 自社の取り組みが、従業員の労働生産性や組織のKPIにどのような影響を与えるかの理解
  • 管理職に対する包括的なデータとアクション プランの提供
  • コストのかかる離職を減らし、従業員の定着率を向上

従業員エンゲージメントの実態を即座に把握

Employee XM Team

この記事は、EmployeeXM チームの監修によって執筆されました。

EX サイエンティストは、トップレベルの EX 戦略・プログラムの設計と実施を支援するアドバイザリーサービスを提供する従業員エクスペリエンス コンサルタントで構成されるグローバルチームです。経験則に基づいた、ベストプラクティスのソリューションを提供します。