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入門・360度評価

この記事は 10分 で読めます
360度開発(360度評価)とは、上司が部下の長所と短所をより詳細に把握するための方法です。ひとりの上司が社員を評価するという一対一の関係から脱却し、視野を広げることによって、上司が持っている可能性のあるバイアスを減らすことに貢献します。

360度評価とは?

360度評価は、多面評価(MSF)とも呼ばれ、個人が自分の長所と短所を理解するための方法で、頻繁に一緒に働くメンバーから建設的なフィードバックを得るものです。360度評価は、個々のリーダーや従業員の能力開発ツールであり、フィードバックプロセスから得られた知見は、個人の能力開発計画に反映されます。

この記事では、360度評価とは何か、どのような場合に使うべきか、そして、部下をより有能なリーダーに育成するための効果的なプログラムを実施するために必要なステップについての情報を提供します。

360度評価に参加できるメンバーとは?

360度評価は、多面評価です。つまり、フィードバックを受ける人と直接一緒に働いているメンバーが複数参加します。メンバーの候補としては、上司、同僚、直属の部下、顧客、業者などが含まれます。

参加メンバーとしては、対象者と6ヶ月以上一緒に仕事をしたことのあるメンバーを選ぶことが推奨されます。これは、対象となる従業員と一緒に働き、さまざまな状況下で行動するのを目にしている持っていると推察されるため、より一貫した経験を持っていると考えられるからです。

アセスメントは、組織内の従業員の立場によって異なります。360度評価には、ハイポテンシャル社員やCレベルのリーダーや経営者を対象とするものや、草の根レベル現場社員など)、管理職や現場リーダー、中間管理職(部長や副部長など)を対象とするものなども存在します。

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360度評価を開発にだけ使うべき理由

クアルトリクスでは、数多くの顧客から、360度評価のベストプラクティスについて質問を受けます。

クアルトリクスでは、360度は従業員のパフォーマンス評価に使うべきではないと考えています。フィードバックは、従業員がスキルを伸ばし、改善すべき点をピンポイントで指摘するための機会であり、また、本人が良い影響を与えていると気づいていないようなことを継続的に行うための励ましであると考えています。言うなれば、360評価はパフォーマンス管理のツールではなく、能力開発のツールなのです。

フィードバックは<br>以下の条件に該当する必要があります

  • 同僚や直属の上司、管理職、経営層、顧客からのフィードバックを通じて、従業員へ投資する行動であると見なす
  • 政治的な色を排除し、従業員を評価するのではなく、育成するための本格的なレビューと考える
  • 匿名のオンライン フィードバック フォームで配信される

フィードバックは<br>以下とは異なります

  • 業績評価の代用
  • 従業員の給与や業績、昇進を決定するためのツール

360度評価と業績評価の比較

業績評価実施の目的は 360度評価とは異なります。360度評価が能力開発のためのツールであるのに対し、業績評価は報酬決定のためのツールであり、従業員エンゲージメント維持のためにも使い分けることが必要です。ここでは、両者の主な違いを説明します。

360度評価 業績評価
目標と最終成果 360度評価は能力開発がすべてであるため、終わりがなく連続的 設定された目標の達成を認識する
コンテクスト データ駆動型 パフォーマンス管理は測定値達成を評価するため、測定値達成後のフォローは不要
フォローアップと計画 管理職と直属の部下、従業員自身が、人を育てることを目的に、率直なフィードバックを匿名で実施 従業員が評価者を知っており、対面での会話になるため、匿名での実施は不可能
報酬と競争 評価者が好意的なフィードバックをすることができなくなる可能性があるため、競争的な要素は排除する。360度評価で重要なのは育成であり、賞罰ではない 報酬や評価、昇進をめぐって従業員が競争する
認識 360度評価プロセスは、育成と同義であり、従業員にもその認識を共有してもらう必要がある 報酬(通常は物質的なもの)を得るためのフィードバックプロセスとして認識されている

360度評価のメリットとデメリット

効果的に実施された場合の360度評価のメリット

  • 従業員の自己認識向上
  • 組織だけでなく、より広範な成長・発展戦略や期待値をバランスよく把握
  • 従業員が持つスキルの長所と短所を把握し、補強・改善
  • オープンなコミュニケーションを可能にするフィードバック文化の構築
  • 後継者育成
  • トレーニングの機会を特定する最適なフローの生成

効率よく実施できなかった場合の 360度評価のデメリット

  • 将来的な仕事上の人間関係の悪化に対する報復の恐れや不安
  • 関連するタスクを負担に感じる従業員が出る可能性
  • プロセスを円滑に進めるためのコンサルタント起用のコスト
  • フォローアップの不足により、プロセスの有効性に対する無関心の蔓延\

効果的な360度評価プログラムを 設計するための7つのステップ

クアルトリクスの 360度評価は、組織内のあらゆるレベルの人材を育成し、人材ギャップを解消して組織のパフォーマンスを加速させることができます。

7ステップのフレームワークに従うことで、従業員がより優れたリーダーになり、より大きなビジネスインパクトをもたらすために、スキルのギャップを素早く特定し、それを解消するための実用的な360度評価プログラムを提供することが可能になります。

ステップ1:明確な目標を設定する

リーダーや管理職、一般社員のための360度評価プログラムを開始する際には、明確な目標を定めることが非常に重要です。前述したように、360度評価は、業績評価ではなく、従業員の声に耳を傾け、純粋に育成のために活用することが強く推奨されます。

フィードバックが業績評価、給与、昇進と結びついている場合、評価者の回答の忠実性に悪影響を及ぼしたり、時には政治的な道具と見なされることがあります。これは多くの場合、組織における昇進の機会や報酬の希少性に起因します。フィードバックの仕組みによって仲間同士の確執が生まれ、自己利益が他者の育成への投資に優先する「不当な過小評価」と呼ばれる現象が支配的になることもあります。

しかし、360プログラムの目的が純粋に能力開発である場合、そのような利害の衝突は避けることができます。

ステップ2:評価者を育成する

360度評価を開始する前に、評価プロセスに関わるメンバーに十分なトレーニングを行うことが推奨されます。適切なトレーニングを行うことで、フィードバックの提供方法に一貫性が生まれます。

評価者が、その人の成長にプラスの影響を与えるようなフィードバックを提供するという立場でトレーニングを受けていれば、このトレーニングによって、エンゲージメント、生産性、そして同僚、リーダー、直属の部下とのより良い、誠実な関係というプラスの流れを生み出すことができるのです。

ステップ3:生まれ持った強みに注目する

能力開発には強みに基づくアプローチが推奨されます。無理をしないと身につかない分野ではなく、個人の生まれ持った強みに主眼を置くという意味です。弱点に集中すると結果はあまり期待できないかもしれませんが、生まれ持った才能に焦点を当てれば、従業員は高いレベルの成長を遂げることができると期待されます。

ステップ4:管理職やリーダーを巻き込む

このプロセスでは、可能な限り管理職やリーダーを巻き込み、チームに求められていることを明確に伝えます。また、公式・非公式なミーティングを通じて、各従業員と時間を過ごすよう促します。

同様に、業務上の望ましい行動に具体的に焦点を当てたフィードバック結果の伝え方について、管理職に対して事前にサポートと情報提供を実施する必要があります。また、プログラムを設定する際に、チーム メンバーの行動目標を設定するよう指導することも重要です。

ステップ5:360度評価プログラムへの賛同と信頼を生み出す

360度評価プログラムを成功させるためには、経営層の支持を得ることが重要です。フィードバックの重要性と、フィードバックが組織の将来のスキルニーズに対応し、従業員の能力開発にどのように役立つかを、時間をかけて繰り返し説明することが必要です。

能力開発は、企業が提供する最高の福利厚生のひとつであると考えられています。役割の明確化を強調し、すべての関係者がそれぞれの役割(対象者、上司、評価者)に責任を持ち、それぞれに期待されることを具体的に説明しましょう。

ステップ6:何をどう聞けばいいかを理解する

基礎が固まったところで、いよいよ360度評価の設計に取りかかりましょう。360度評価は、調査疲れを防ぐため、30~40項目を超えないことが理想的です。また、1人の評価者が複数の従業員にフィードバックを行う可能性があることを念頭に置いてください。

また、評価に含める能力は8~10以内とすることに留意してください。これにより、従業員は、その職務で成功するために最も重要な能力を理解することができます。

従業員エクスペリエンス ウェビナー『従業員の声を聞かずして企業経営できますか?』

ここでは、アセスメントに盛り込むべき360コンピテンシーの例を紹介します。

360 Competiencies

評価尺度については、「そう思う・そう思わない」ではなく、頻度尺度(「ほとんどない」>「いつもある」)を使用することをお勧めします。これにより、評価者は重要な行動の一貫性に注目しやすくなります。また、自由記述欄を利用する場合は、評価者が具体的な行動例を挙げたり、改善のための具体的なフィードバックができるような表現にすることが推奨されます。

Do's and Don't

ステップ7:360度評価を自社に合わせてカスタマイズする

360度評価ソリューションの最大の利点の1つは、自社独自のプログラムを設計できることです。自社で開発したコンピテンシーモデル、外部のコンサルティングモデル、あるいはその2つを混合させたハイブリッド モデルを使用することができます。360度評価ソリューションには、組織に必要な項目を正確に調べることのできる柔軟性が必要です。

360 degree feedback Qualtrics

効果的な360度評価 プログラムを設計する

未来を考える

今後、組織で必須となる認知・行動スキルは何でしょうか?360度評価プログラムを通じて、今後必要とされるスキルを特定すれば、リーダーやチャンピオンを育成するだけでなく、組織ダッシュボードを用いて、学習と能力開発のどこに焦点を当てるべきかを特定することができます。

取り組みの規模を拡大する

従業員は、自社が自分に投資してくれることを望んでいます。実際、専門的な能力開発は、勤務先を選択する際の魅力的な条件と考えられています。

全社のメンバーが能力開発を利用し、従業員のキャリアがそれぞれのニーズに応じて開発されるようにすることが重要です。また、アセスメントの規模を拡大することで、組織のインサイトを利用して、従業員のどこに最大のギャップと強みが存在するかを確認することで、さらに大規模な能力開発を実践することが可能になります。

機密を保持する

従業員が自分の回答が秘密にされないと考えた場合、フィードバックを行う際の正確性、報復への恐れ、従業員エクスペリエンスの悪化、組織文化の衰退などの問題につながる可能性があります。匿名でのフィードバックは、360度評価の根幹をなすものです。

機密保持が組み込まれ、維持され、明確に伝達されることを確認しましょう。評価者は、回答者が特定されないとわかっている場合、より有益なフィードバックを提供することになります。

コストを慎重に検討する

これは金銭的なコストだけでなく、従業員の時間を使うことによるコストも意味します。360度評価の期間、評価者の数など、プロセスを確認しましょう。

ウェビナー『不確実な時代、顧客・従業員と「意義のあるつながり」を構築するには』

「聞いて終わり」にしない

360度評価の結果に基づいたアクションが実行されることは非常に重要です。従業員が特定の分野でネガティブなフィードバックを受けた場合、対象者を支援するためのリソースを提供する必要があります。

フィードバック後のフォローアップが不十分だと、せっかくのプロセスが無意味になってしまいます。また、従業員が360度評価の有用性に無関心になるため、今後の有効性も損なわれてしまいます。

従業員のサポートに必要なリソースを、実際に提供できるかどうか確認することも重要です。

クアルトリクスの 360度評価ツール

クアルトリクスの360度評価ツールは、組織内の人事が従業員をよりよくサポートし、育成することを可能にするソリューションです。キャリア開発、自己啓発、従業員のパフォーマンス、生産性、エンゲージメントを向上させるために必要なインサイトを提供します。

クアルトリクスの360度評価ツールの導入によるメリットは以下のとおりです。

  • 多面評価によるレビューのプロセスを自動化し、より迅速でシンプルな匿名フィードバックを実現
  • 360度評価データから得られる傾向や分析に基づき、管理職がより効果のあるコミュニケーションを取ることを可能に
  • 従業員に個別のレポートを提供し、機密保持機能で評価者の匿名性を保護
  • 360度評価から得たインサイトをQualtrics EmployeeXMプラットフォームの他のソリューションに接続し、従業員エクスペリエンス全体に対するアクションを取ることが可能に
  • 組織内の能力開発ギャップを特定し、成功の成果を長期的に追跡

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