製品ライフサイクルとは?
製品ライフサイクルとは、顧客と市場の調査を通して製品をよりよくしていくプロセスです。
これは、時間の経過とともに製品を継続的に改善するための、継続的なフィードバックのプロセスです。これを行うことにより、製品は消費者にとってより魅力的となり、製造業者にとってより収益性が高くなり、顧客のニーズにさらに寄り添う製品の開発が可能となります。
優れた製品は全て、優れたアイデアから始まります。アイデアの段階から、実際の商品やサービスの設計、生産、販売開始、継続的な販売に至るまでには、多くのステップが必要です。このステップのそれぞれで製品開発のより良い方法や顧客が求めているものを理解するために、定性的または定量的な調査が実施されます。また、多くの場合、問題の解決には反復ステップを繰り返す必要があります。
このプロセスをできるだけ効率的かつ効果的に実施するために、プロダクトマネージャーとプロダクトチームはさまざまなツールと分析(英語)を用いてプロセスの各部分を合理化し、整理します。これには、顧客のフォーカスグループ、インタビュー、MaxDiffアンケート調査(英語)、コンセプトテスト調査(英語)などが含まれます。これらはすべて、顧客の声に基づいたデータを使用して行われます。
反復の力
どのような製品であれ、ライフサイクルの反復を実施することで、アイデアを絞り込み、選別し、磨き上げ、カスタマーサクセスに繋がる施策を見つけることができます。製品開発での方針変更は当然のことです。方向性を複数回変更したり、初期段階に戻ったりすることも珍しくはありません。
プロジェクトの初期段階での失敗や不具合の発見は良い成果です。これは、実行不可能なことの追求に費やす時間とリソースを節約できたことを意味します。
一般的な製品ライフサイクルは以下のようになります。
1.アイデア
多くの場合、アイデアはビジネス内部の観察から生まれます。よくあるお客様の課題やビジネスデータから特定のパターンを発見し、新しいソリューションの考案へつなげることができるかもしれません。新製品の考案の際、多くの場合、非常に幅広い意見が集まります。アイデアが多く集まっても、何を優先すべきかはあまり明確ではない場合もよくあります。
一般的に、製品ライフサイクルプロセスは製品チームが管理しますが、プロダクトマーケティングおよびエンジニアリングチームを含めることもできます。さらに先へ進むと、UXチーム、デザイナー、その他に顧客にとって何が重要かを理解すことに常に関心を持っている全ての関係者を含めることも考えられます。
アイデアが明らかになれば、次のステップは社内の人々からのフィードバックを得て、社内でそれを検証することです。さまざまなビジネス分野から考えを集めることは、そのアイデアへのストレステストを行い、次のステップに進む価値があるかどうかを判断するのに役立ちます。
アイデアが優れているという社内での共通認識を確認し、実行するための明白な障壁がない場合は、次のステップとして実際のエンドユーザーを交えたコンセプトのテストを行います。
2.製品開発調査
顧客とつながるには、さまざまな方法があります。Qualtrics Research Coreのようなツールやプラットフォームは、アイデアや展望を評価、検証、改善するためのさまざまな手段を提供しています。
通常、製品開発研究には4つの段階があります。
- 特徴:何を含めるべきか?
新製品にはできる限り多くの機能を実装したいと思われるかもしれません。しかし、本当に必要なもの(英語)と、なくてもよいものは、どのように見分けられるでしょうか。顧客調査は、製品に実装する機能を絞り込み、どの項目により大きな予算をかけるべきか、優先順位を決定するのに役立ちます。 - 機能:どのような役割を果たすべきか?
新製品への実装のために選択した特徴はどのように連携させるべきでしょうか?製品のユーザーインターフェースはどのように見えるでしょうか?開発を進めるにつれ、製品の機能を革新すべきか、ユーザーがすでに慣れ親しんでいる既存の製品をモデル化すべきかを決定する必要性に直面することがあります。テストを行うことで、お客様が希望するオプションを選択できるようになります。 - メッセージ:どのようにマーケティングすべきか?
特徴と機能が確立されたら、製品マーケティングチームに参加を促し、製品をどのように顧客に提供するかを決定します。これには、顧客があなたのビジネスと競合他社をどのように見ているかを調査し、将来の市場であなたの製品に適した分野を見つけることが含まれます。 - 価格:顧客が購入を決定する要因は何か?
アンケートや調査を利用して、顧客が購入を希望する正確な価格ポイント(英語)を見つけることができます。
方法とツール
調査段階では、上記の質問に答えるために使用できるツールやテクニックが幅広く存在します。ここでは、製品調査サイクルで一般的に使用されるいくつかの機能について説明します。
これは、消費者が製品の特徴のどこに価値を見出すかを測定するための一般的な市場調査アプローチです。この調査では、製品の特徴を個別に調査することも、全ての特徴を包括的に調査することも可能です。コンジョイント分析アプローチは、現実のシナリオと統計的手法を組み合わせて、市場の意思決定のモデル化を支援するものです。
一般的に、コンジョイント分析は製品テストや従業員福利厚生パッケージを調査する際に用いられます。コンジョイント分析のためのアンケートでは、何が購入決定を左右するかをよりよく理解するために、特徴が異なる複数のパッケージを回答者に提示し選択をしてもらいます。
MaxDiff (最大差分)は、複数の項目の優先度と重要度を示すスコアを収集するために使用される高度な調査研究手法です。回答者には、評価すべき項目のリストから一部のサンプルが提示されます。そのサンプルの中から、回答者が最も購入したいと思うアイテムと、最も購入する可能性のないアイテムを選択してもらうという選択を複数回行ってもらいます。
MaxDiff分析は、一対比較法を用いたベスト ワースト スケーリングの一種です。回答者が特定の組み合わせのアイテムの中での自分の好みを答えていくデータを集計することで、回答者が最も好む項目を割り出し、その項目の順位がどのように変動するかを調べます。この結果を用いることで、最も重点を置いて顧客に提供すべき特徴と、必要のない特徴を特定できます。
カードソートは、製品への実装を検討している特徴に優先順位を付けるための簡単な方法です。これは、製品開発プロセスの早い段階での特徴のショートリストを作成するのに適しています。
カードソート技法を使用すると、潜在的な購入者または過去の顧客に最も価値を提供する特徴と提供しない特徴を把握できます。カードソートによるアンケートの参加者は、製品へ実装される特徴の候補をリストとして与えられ、それを並び替えます。このようにして、製品の重要な決定を下すために必要なすべての情報を得ることができます。
製品機能は、 「必須」 、 「あると便利」 、 「必要ない」 などのわかりやすいカテゴリに分類されることが多いため、様々に分類される顧客セグメントにとってどのような特徴が最も重要かが一目でわかります。
コンセプトテストとは、製品またはサービスを市場に投入する前に、提案された製品またはサービスに対する潜在的な消費者の反応を調査することです。組織が製品を発表しようとしたり、アイデアの開発に投資しようとするとき、コンセプトテストは、製品やサービスに関連する知覚、欲求、ニーズを特定するために役立ちます。
この方法を用いると、製品の各特徴がどのように効果を発揮しているか、また、その特徴が顧客にとってどの程度重要であるかを理解できます。ニーズに基づく分析では、さまざまな製品特性の現在の満足度と重要性が評価されるため、顧客にとって最も重要な特徴に集中できます。
これにより、製品の改善すべき点を特定し、顧客が価値を置く一方で上手く効果を発揮していない特徴を割り出すことができます。これにより、最大のインパクトをもたらす改善項目に投資を集中できます。
顧客セグメンテーションの手法の一つは、顧客の属性、ニーズ、嗜好、支出パターン、またはその他の心理的基準や行動基準を分析することにより、市場を最適な見込み顧客グループに分割することです。
さまざまな顧客グループまたは見込み顧客のイメージを詳細に描写できるため、さまざまなターゲットグループへのアピールを最大化できます。マーケット セグメンテーションは、製品の調査からコミュニケーションやプロモーションまで、あらゆる場面で用いられます。
3.製品発表
おめでとうございます!これまでのステップで、いよいよ製品を世界に送り出す準備ができました。
しかし、それで終わりというわけではありません。お客様が製品に直接触れるようになった今、製品のパフォーマンス、製品に関するマーケティング メッセージ、および製品の価値に関する認識に関する経験データ(英語)を収集する大きなチャンスが到来しています。
4.フィードバックと顧客の反応
製品が発売されたら、次の課題は継続的な調査プログラムを設定して維持することです。製品満足度(英語)や顧客満足度調査(英語)などのツールを使用して製品に対する反応を観測し、販売やその他の業務上の測定基準を使用して、製品がどのように機能しているかを定期的に理解します。
これらの調査は、多くの場合、既存製品の改善を促すアイデアを生み出すパイプラインとしての役割や、まったく新しい製品の開発サイクルを開始する役割を果たします。これは、現在提供している製品の特性向上に役立つため、発売前のテストと同じくらい重要です。
製品ライフサイクルの管理
これまでの内容でご理解いただけるとおり、製品のライフサイクルは複雑であり、適切なソリューションを見つけるまでに、多くの紆余曲折、調査、行き詰まりが伴います。また、プロダクトチーム、マーケター、エンジニア、UXプロフェッショナルを含む様々な利害関係者の間で協力する必要もあります。
製品のライフサイクルを予定どおりに進め、生産性を高め、予算内に収めるには、方法の効率と正確さを優先することが重要です。高品質のデータが得られる調査を設計することが不可欠です。また、同じように分析を行うために、データを共通の形式にすることも重要です。
すべてを1つのプラットフォーム内で管理することで、混乱の可能性を最小限に抑え、共通の通信チャネルを提供できます。また、アイデアから収益創出につながる製品への移行を迅速化し、コストの抑制とプロセスの合理化を実現できます。
利用者が本当に望む機能を特定し、製品の開発サイクルを短縮。利用度やロイヤルティの向上を、シングルプラットフォームで簡単に。クアルトリクスのプロダクトエクスペリエンス(PX)をお試しください。